2016年の田んぼ

早いもので、田んぼを始めてから6年目になりました。
 
今年も無施肥/無農薬での自然栽培方針は同じですが、今までとかなり変更があります。

今年は直播栽培をやってみます。

愛知県で開発されたV溝直播栽培に倣って、V穴直播栽培です。


深さ5㎝幅2㎝のV溝をつけるのは難しいので、深さ5㎝、直径2cmで先がとがった棒で穴を開け、そこに直播します。

尚穴あけについては、マニュアル方式の道具も準備しましたが、

耕耘機のスパイク車輪がその役割をしてくれます。


畑の状態で穴を開け、種をまきます。

種をまいた周辺だけ、雑草を刈り取ります。レンゲも育っているので、レンゲはできるだけ刈らないようにします。

稲の芽が出て成長してきたら、水を入れてやる方が良いですが、水を入れすぎるとレンゲが枯れてしまいます。

幸い稲は深さ5㎝で育つので、その部分は水が溜まり、田んぼの表面には水がない状態を維持できれば、レンゲも最後まで元気でいます。

レンゲの種が黒く熟し、枯れ始めたら田んぼにたくさん水を入れます。

こうすれば、来年レンゲの種をまかなくてもたくさん生えてきます。


このやり方がうまくいけば、とても省力化できるので、田んぼをもっと増やすことができます。


直播きしても稲がうまく育つことは確認済ですが、

途中で一度植え替えた(田植えした)方がより元気に育つといわれているので、そのあたりが少し心配です。

去年はコナギが大発生して収量が減りましたが、

今年は他の雑草の力を借りて、コナギをどの程度抑えることができるか、課題です。



  
<2016年の方針>
 
・ミルキークイーンとイセヒカリを育てる。
  
・3月上旬から播種を開始します。
 
・種もみは購入した種を温湯消毒だけしてまきます。

  冷水への浸漬や催芽処理は行いません。 種もみにダメージを与えるリスクがあるためです。
  
・40×20cm間隔で植えます。
 
・田んぼの中の雑草は、「草取り」ではなく、「草刈り」で対応します。
 
 
以下は例年通りです。  
 
①不耕起 ②無施肥 ③無農薬ではで
  
山の木や動植物は、
 
人が何も手伝わなくても、自分たちで良い土を作り、お互いに協力し合って、健康に生活しています。
 
その状態を田んぼで実現したいと考えています。
 
 
①不耕起
 
・田んぼは、地球の環境破壊に大きく影響しているといわれています。
 
・田んぼを耕耘すると稲わらなどの有機物が土の下に埋もれてしまい、そこに水を張ると土の中は酸欠状態になります。
 
・その状態で微生物が有機物を分解すると、メタンガスなどの有害ガスが大量に発生します。
 
  このガスが地球環境を悪化させています。
 
 
・耕耘していない田んぼを歩くと、泡の量はかなり少なくなります。
 
・不耕起の田んぼに水を張っておくと、稲わらなどの有機物は水の中にあります。
 
  これらはやがて水中の小さな生き物のえさになり、
 
 食物連鎖が始まって、田んぼの中は生き物だらけになります。
 
・田んぼはかえるの大合唱、おたまじゃくしだらけになりました。
 
・ 「どぶしじみ」という小さな2枚貝もたくさんいます。
 
・放流したどじょうはたくさんおり、たにしもそのままいました。あまり増えていないかもしれません。
 
 山の荒れ田にはタニシもいます。
 
・稲刈りの後、地面にはクモがうじゃうじゃと歩き回っていました。
 
・赤とんぼが増えたように感じますが、蛍はほとんど変わりません。
 
 
 
②無施肥
 
 言うまでも無いことですが、肥料分がなければ植物は育ちません。
 
 「無施肥」とは、直接人が肥料をやらないという意味です。
 
 化学肥料も有機肥料も、一切施肥しません。
 
 肥料分は自分たちで調達してもらいます。レンゲに手伝ってもらいます。
 
 自然が自分自身でよりうまく肥料分を作れるように、人間が手助けします。
 
 米糠や籾殻、わら、山の木の葉など、腐敗せず、発酵に適した資材を供給することはあります。
 
 しかし、糞尿など、腐敗性資材の投入は行いません。
 
 発酵を進ませるために、乳酸菌やEMなどの有用微生物は投入するかもしれません。
 
 
③無農薬
 
健康に良くない可能性があるものは一切投入しません。
 
 唐辛子、食酢など、人が食料にしているような素材については、使用する可能性はあります。
 
 
 
 
 <2014年から始めた 川口由一さん方式の作り方>
 
基本は今までと同じですが、「雑草と仲良く育てる」というところが、更に徹底した自然栽培です。
 
・稲刈りの後田んぼを乾燥した状態に保ち、畑の雑草をたくさん生えさせる。
 
 これによって沼の雑草は減り、稲と競合しにくくなります。
 
 田植え後に水を入れることによって、畑の雑草は弱ります。
  
・雑草は全部取るのではなく、意図的に残しておきます。それにより、害虫が稲だけを集中攻撃するのを防ぎます。
 
 水の量を調整して雑草の勢いをコントロールします。
 
・水の量を自由にコントロールするために、田んぼの周りに深いしっかりとした溝を掘ります。
 
 水の量は田んぼの面ひたひたが基本です。